在宅医療、介護のススメ
医療法人美郷会 西蒲中央病院
理事長 江部和人
平成24年度は、医療保険、介護保険の同時改定が行われました。
今回の改定は、いわゆる「団塊の世代」が、2025年(平成37年)に75歳以上となる高齢化社会にむけてのプロローグであります。
年間死亡者数が現在の1・5倍の約160万人、医療、介護を必要とする要介護者が750万人と、10年間で300万人急増すると推定されます。新潟市においても人口は81万から76万人と5万人減少し、高齢化率(65歳以上人口)も23・1%から30・4%へと上がります。また、在宅医療に関する国民のニーズは、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しております。
今回の改定の要旨として、高度急性期から回復期、慢性期を経て、在宅まで切れ目のない、医療、介護が必要となっても、住み慣れた地域で安心して在宅療養生活が継続できることを目標に掲げております。
その中でも在宅医療はますます重要となり、病院だけを運営していればよいという時代は過ぎ、診療所、訪問系サービス、通所系サービス、居住系施設、入院・入所とあらゆるサービスを駆使しながら医療、介護、福祉の連携を図り、今後の膨大なニーズに応えていかなければなりません。そのキーワードは、在宅医療を一つに主軸とした地域連携です。
地域の診療所の医師(かかりつけ医)と、それらを後方支援する病院ならびに医師、
看護師や薬剤師、理学療法士や作業療法士など、さまざまな医療従事者との連携によって、初めて在宅患者や家族にとって満足のゆく在宅療養が継続できるのではないでしょうか。
当法人でも、病院の枠を超え、訪問診療、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリ、通所リハ
ビリ、デイサービス、認知症デイサービス、居住系施設など、住み慣れた地域で安心して在
宅療養生活が継続できるよう、在宅生活のサポートを真剣に取り組んでおります。
在宅医療・介護でお困りの方は、当院(0256―88―5521)の地域連携相談室までご一報ください。
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