近視の治療について <前編> ~最新の治療オルソケラトロジー(夜間コンタクトレンズ近視矯正治療)とは~
しもまちメディカルセンター
(新潟市中央区田町 旧済生会新潟病院あと)
いかい眼科 院長 井海雄介
日本眼科学会認定 眼科専門医
遠くが見えない、ボヤケル、車の運転が不自由など、近視でお困りの方は多いのではないでしょうか。
子供から大人まで、一般に目が悪い、というと近視が原因であることがほとんどです。
近視治療には、いくつかの方法があります。
手術をしない方法としては、眼鏡、コンタクトレンズ(ソフト・ハード)などが挙げられ、手術をする方法としては最近よく知られているレーシック手術があります。
眼鏡、コンタクトレンズは簡単に近視を矯正することができますが、眼鏡のフレームが煩わしい、コンタクトは洗う手間などが大変、等々面倒
な点もあります。
それに対して、レーシックなどの手術治療は、手術後眼鏡・コンタクトは必要なく、手術してしまえば、裸眼で良好な視力が得られます。
しかし、手術治療であるため、一度手術してしまえば、たとえ結果に満足できなくても、治す手段はありません。また、術後感染症など合併すれば永久的に視力低下の可能性もあり得ます。
最近注目されてきている治療法として、オルソケラトロジー(別名:ナイトレンズ)という、夜間コンタクトレンズ近視矯正治療が挙げられます。
特殊なデザインの高酸素透過性ハードコンタクトレンズ〝オルソケラトロジーレンズ(ナイトレンズ)〟を用い、角膜の形状を矯正し、視力を回復させる角膜矯正治療のことです。
治療方法は、夜寝る前にオルソケラトロジーレンズを装着して睡眠。起床時に目から外す。すると、日中は裸眼で良好な視力が期待できます。夜に装着して起床時に外す、このサイクルを繰り返します。オルソケラトロジーレンズの使用を中止すれば元の近視の状態に戻ります。
コンタクトがずれると困るスポーツ、水泳、裸眼で良好な視力が必要な学校や職業などの人に需要があると考えられます。
また、最近の研究では子供の近視の進行抑制効果があると報告されています。
自分の生活スタイルや要望によって、どの近視矯正方法が最も適しているか眼科の先生と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。