花粉症の症状とその対策
認定薬剤師 諸見里 恵
有限会社ケンユウ 牡丹山薬局
現在、日本人の約25%は花粉症だと言われています。
花粉症は、花粉が原因で起こるアレルギーの総称です。
「花粉」という異物が体の中に入ると、私たちの体はそれを排除するかどうかを考え、排除すると決めると、その異物に特異的に反応する抗体を作ります。
この抗体ができた後に「花粉(=異物)」が体の中に入ると、抗体が働き、異物を外に追い出そうとしていきます。
その時の働きが花粉症の嫌な症状なのです。
花粉を外に吹き飛ばそうとしてくしゃみが出るし、花粉を外に流しだすために鼻水や涙が出ます。鼻がつまるのも鼻の穴を狭くして、花粉を体の中に入ることを防ぐためです。
花粉を異物と体が判断しなければ、花粉症の症状は出ませんが、一回異物と判断すると、花粉飛散量によって症状が軽かったり重かったりがあっても、毎年、症状が出るようになります。
日本人の花粉症患者のほとんどはスギ花粉症で、2月~5月くらいまで症状が続きます。症状が出てから治療をするよりも、症状が出る前から予防した方が、症状が軽く済むことが多いです。
日常生活での花粉症対策は、花粉をできるだけ避けることです。
* 花粉情報に注意して、花粉の飛散の多いときは外出を控える。
* 外出時は、マスクや眼鏡をつける。
* 家に入る前に花粉を払う。家に入ったら早めに洗顔、手洗いをする。
* 部屋の掃除をこまめにする。
以上のことを心がけるようにしてみましょう。
薬で症状を軽くすることもできます。点眼薬、点鼻薬、内服薬を症状に合わせ使い分けて治療していきます。「花粉症の薬は眠くなるから嫌」という話も耳にしますが、眠くなりにくい薬もあるので、かかりつけの医師に相談しながら治療しましょう。
2014年3月