皮脂欠乏性湿疹
新潟市中央区女池上山2―8―28
RIKA皮膚科・形成外科クリニック
院長 齋藤利香
冬に多い皮膚疾患の代表として、乾燥が原因でおこる皮脂欠乏性湿疹(乾皮症)があげられます。もともとは高齢者に多く発症していましたが、石鹸による洗いすぎやエアコンによる乾燥などにより、現代では、子供や若い世代にも増えています。
病態としては、皮膚のバリア機能が損なわれ、乾燥して角質がはがれてしまっている状態です。そのため、普段は角質層から奥へは浸透しない物質が角質層を通りぬけてしまい、刺激に対して敏感になっています。
症状としては、カサカサ、白い粉をふいたような状態、赤み、ブツブツ、かゆみ、ひどくなるとひびわれやゴワゴワなど、様々です。赤くなってブツブツしていないと湿疹と思わない人がいますが、実はカサカサしているところ(ドライスキン)からすでに湿疹の変化がはじまっているので、そのレベルでしっかり治療することが大切です。市販の保湿剤などを使用しても改善がみられないようであれば、早めに皮膚科を受診してください。
症状がごくごく軽い場合は保湿剤のみを処方する場合もありますが、たいていは、ステロイド剤と保湿剤のまざったものを使用します。そして、スベスベになって改善した後もある程度の期間継続して使用することが最も重要となってきます。その他、電気毛布、ヒートテックや毛糸や固い衣類、掻破、スカーフやタートルネックによる摩擦などの刺激をさけていただくこともポイントです。
2015年12月