医療コラム

様変わりする補聴器事情 ①(機能と形態)

様変わりする補聴器事情 ①(機能と形態)

新潟市中央区長潟 315番地
大滝耳鼻科クリニック 院長 大滝 一
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会委員
新潟市医師会理事



 みなさんは補聴器というとどんなことを想像しますか。強い難聴のある方がつけている、つけても聞き取りが悪い、ピーピーうるさい、雑音が大きい、見た目が気になる、値段が高い、など、いろいろだと思います。


 今、その補聴器が以前に比べて大きく様変わりをしています。今回は、その一端をご紹介したいと思います。

 まず、10年ほど前まではアナログ式補聴器が主流でしたが、今はほとんどがデジタル式補聴器となっております。デジタル式の優れた点は、何といっても一人ひとりの聴力に見合ったきめ細かな調節ができることです。今までもある程度の調節は可能でしたが、調節できる幅がさらに広がり、微細にできるようになりました。

 またピーピーしないような工夫や、雑音を小さくする機能が付いている補聴器が増えています。とにかく以前の補聴器に比べ機能の面でかなり進歩しているのが現状です。

 そして、気になる見た目ですが、デジタル化によって補聴器自体が小さくなっています。高価にはなりますが、軽い難聴の方には、耳たぶの中に収まるような補聴器や、耳の穴に入り全く目立たないような補聴器も出ています。

 色合いも、以前は肌の色に近いものがほとんどでした。しかし、今はブルー、ピンクなどとカラフルなものも出ており、形もスマートで、ファッションの一つといった感じさえするくらいです。

 さらには、リモコンで音量や音質の調整ができたり、充電式補聴器なども開発されています。

 このように、機能面、そして形態面でも、最近の補聴器の進歩は著しいものがあります。時間がありましたら、ネットなどで検索してみてください。今までの補聴器の概念が変わると思います。


 次回は、補聴器に関する制度などについて触れてみたいと思います。