大人の虫歯 ― ②
新潟市東区山木戸4丁目7―7
(中山木戸バス停前)
あゆかわ歯科医院 院長 鮎川幸雄
先月号で記述したとおり、大人の虫歯の要因として、その多くは2次カリエス、根面カリエスといわれるものです。
2次カリエスは、治療した詰め物や、被せものと歯との境界から入り込む虫歯です。
根面カリエスは、歯周病や年齢により歯肉がやせて下がって、虫歯になりやすい歯根面が露出してしまうことによるものです。
重度の根面カリエスは、根の周囲を帯状に広がることもあり、歯冠部分は健康でも、根の周囲をぐるっと削って治療することとなります。
最悪の場合、健康なエナメル質の歯冠部が、ポロリと取れてしまうこともあります。
予防としては原因であるプラーク(細菌の塊)の量をできるだけ減らすことが基本となります。
そのためには、デンタルフロスや歯間ブラシなどを上手に利用することも重要です。
根面カリエスは、早期に発見できれば、小さく削って詰めるだけで済むことも多いので、定期健診などで、早期発見を心がけてください。
また齲うしょく蝕のリスクの高い方にはフッ素を使用し、歯質の耐酸性を向上させることをお勧めします。
フッ素は子供のエナメル質の成熟期での使用の他、歯根の露出の目立つ高齢期でも効果が認められています。
フッ素配合歯磨剤を十分歯根面にこすりつけて、不快にならない範囲の少量の水(10㎖)でうがいすることで、できるだけ多くのフッ素を口腔内に残し、うがいによる口腔内からのフッ素の消失を防ぐことがポイントです。
(終わり)
2013年9月