大人の虫歯 ― ①
新潟市東区山木戸4丁目7―7
(中山木戸バス停前)
あゆかわ歯科医院 院長 鮎川幸雄
子供の虫歯は年々減少しています。特に新潟県の子供は全国的に見てもトップクラスの虫歯の少なさを誇っています。ところが大人の虫歯は減っていません。
学校健診、フッ素塗布、フッ素洗口などで効果的に見守られている子供に対して、大人は自己責任の要素が強く、定期健診で積極的にお口のケアをされている方がおられる一
方、痛くなるまで放置され、様々な問題を抱えている方がおられます。
子供の場合は虫歯になりやすいのは歯磨きしにくい奥歯です。大人の場合はそれとは違って多くが次の2つの要因によるものです。
1つめは、2次カリエスといわれるものです。
治療した詰め物や、被せものと歯との境界から入り込む虫歯です。境界は汚れがたまりやすかったり、治療後、数年すると隙間ができることもあり、そこから細菌が侵入し虫歯が進行します。以前の治療で神経を抜いている場合は痛みを感じず、被せものの内部で進行している場合は、表面上は変化が見えないので、気が付いた時にはかなり内部まで進んでしまっています。
2つめは、根面カリエスと呼ばれるものです。
歯周病や年齢により歯肉がやせて下がって、歯根面が露出してしまうことがあります。歯根面の象牙質は歯冠部のエナメル質と比べて柔らかいため、虫歯になりやすくしかも進行が早いのです。
そのため若い時と同じように歯ブラシしているはずなのに虫歯になってしまいます。
また高齢者は唾液が減少して、口腔内が乾燥することが多く、唾液による歯の修復機能が遅れ気味になることも、根面カリエスが多発化する要因になっています。
(次号へつづく)
2013年8月