パニック障害について
新発田市住吉町4丁目8-26
しばた心と体クリニック
院長 小河原克人
精神保健指定医・日本精神神経学会専門医
職場で遭遇するこころの病気、今回は「パニック障害」についでご紹介したいと思います。
「パニック障害」は耳にしたことがある病気かもしれません。
「驚いて、パニックになった」「難しい仕事をしてパニックになった(パニくった!)」という意味ではあり
ません。
同僚の仲間で、会議などの仕事中に倒れ込み、医務室に運び込まれる、または救急搬送されたという方はいませんでしょうか?
「パニック障害」とは、心臓がドキドキする、呼吸が苦しくなる、という発作が出現する病気です。
症状が重くなると、呼吸が速くなり過換気状態となり手足がしびれて麻痺したようになり倒れ込んでしまったり、叫んでしまったりという症状が出ることがあります。
概ね10分程度で症状が最大となり、30分から1時間程度で症状はほとんど回復することが多いです。症状が出ては困る場所で不安が強くなり、発作が起きやすくなる病態を示すこともあります(広場恐怖という)。
発作が出現してしまうと、本人は「死ぬのではないか、気が狂うのではないか」という恐怖に支配されてしまいますし、周囲からはただならぬ状況と見えますので、救急搬送されることも多くあります。
しかし、30分程度で発作は収まってしまいますから、病院に到着した頃には症状は消失していて、「過呼吸ですね」と言われ帰宅することとなります。
このような症状が繰り返し出現している方は、保険適応になっている内服薬を用いることで症状の緩和を期待することができますので、心療内科や精神科の医療機関への受診をお勧めいたします。
2015年6月