アルコールとの上手なつきあい方について
(一社)新潟県労働衛生医学協会
健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香
これからの季節は、暑気払いやお祭りなど、飲酒機会が増える方も多いのではないでしょうか。
今回は、アルコールと上手につきあうためのポイントをお伝えします。
1.お酒は百薬の長?
適量のお酒には、リラックス効果やストレス解消効果、人間関係を円滑にする効果があると言われます。飲酒習慣の無い方の中には、少し無理をしても飲んだ方がよいのではと考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、体内でアルコールを分解する過程で発生する「アセトアルデヒド」は有害物質であり、二日酔いの原因となるほか、発がん性が疑われているほど毒性が強いこともわかっています。
特に、飲酒が苦手な方や、飲酒後に皮膚が赤くなる方は、無理に飲む必要はありません。
2.アルコールの適量とは
一般的な適量の目安は、男性の場合、ビールであれば500ml、日本酒であれば1合程度ですが、女性の場合はこの約半分量です。これくらいの量だと、飲んだ気がしないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、過度の飲酒は、肝臓病、脳血管疾患、糖尿病、高血圧など、多くの健康障害を引き起こします。
また、習慣的な飲酒は、アルコール依存症につながりやすいこともわかっています。いわゆる休肝日は、肝臓を休ませるだけでなく、依存症を予防する意味でも大切です。週に1~2日の休肝日を設けましょう。
3.アルコールを飲む際の注意点
①アルコールには利尿作用があり、飲酒は脱水状態を引き起こしやすくなります。飲酒の合間や飲酒後には、水などを適度に補給し、脱水状態を防ぎましょう。
②飲酒後は、運動や入浴を避けましょう。飲酒時は、普段より判断能力や運動機能が低下していますので、思わぬ事故につながる危険性があります。
当会では、栄養士や保健師によるアルコールとの上手な付き合い方に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。
新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部 ℡370―1945