身体活動量アップでメタボ・ロコモの予防を
(一社)新潟県労働衛生医学協会
健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織
最近、メタボリックシンドローム(メタボ)のほかに、ロコモティブシンドローム(ロコモ)という言葉を耳にする、とお感じの方が多いのではないで
しょうか。
メタボは、内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧、糖尿病、脂質異常症を重複している状態を言い、放置すると心筋梗塞や脳梗塞など、命に係わる恐れがあります。ロコモは、筋肉、骨、関節などの運動器に障害が起こり「立つ」「歩く」などの機能が低下している状態を言い、放置すると介護が必要になるリスクが高まります。
今回は、この2つのシンドロームを予防するために有効な身体活動量についてのお話しです。
1.身体活動量とは?
身体活動とは、日常生活における労働、家事、通勤等の『生活活動』と、計画的・継続的に行うスポーツなどの『運動』との2つを合わせたものです。スポーツだけが身体活動ではありません。日常生活での活動も身体活動の一部です。
身体活動量を増やすメリットは、①生活習慣病発症や死亡リスクを下げる、②運動器や認知機能等の生活機能低下のリスクを下げる、③腰痛や膝痛等の改善などがあります。
2.どのくらい増やせばよいか
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動指針」を策定し、この中で『プラス10』をスローガンに、まずは、毎日の身体活動量を今よりも10分増やすことを推奨しています。
例えば10 分歩くと歩数に換算して約1000歩です。歩数計をつけて、今より1000歩多く歩く、階段を使う、体操をするなどが、職場や家庭で手軽にできる身体活動として有効です。
3.安全に取り組むための3つのチェック
①体を動かす時間は少しずつ増やす。
②体調が悪いときは無理をしない。
③ 病気や痛みがある場合は、医師に相談する。
夏は、特に熱中症対策をしっかり行い、異常を感じたらすぐに中止し、必要により周囲に助けを求めることも大切です。なお、当会では、保健師等による運動・身体活動の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。
新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部 ℡370―1945