医療コラム

風邪とインフルエンザ②

風邪とインフルエンザ―②

 

本町通6アーケード内 ぷらっと本町ビル3階
本町いとう内科クリニック 院長 伊藤 実
日本呼吸器学会認定 呼吸器科専門医

 

 数年前、新型インフルエンザ騒ぎがあった時、他の国では、健康成人でも妊婦を中心に多数の死者が出たのに対し、日本だけ、死者が極端に少ないことが話題となりました。当時、日本だけが、インフルエンザ迅速診断キットを用いてインフルエンザかどうか積極的に診断し、早期から抗インフルエンザ薬で治療していることが、その理由として考えられました。以後、日本のやり方が世界の手本となり、「日本に見習え」と、他国でも、積極的な診断、早期治療を行うようになりました。

 

 風邪のウイルスやインフルエンザウイルスは、咳やくしゃみとともに飛んでいき、近くにいる人の鼻や口から侵入します。また、鼻水、痰には、大量のウイルスを含んでいますので、それらで汚染された部位を触ったりしてどんどん人に感染していきます。


 特に空気が冷たく乾燥していると、のどや鼻の免疫力が低下し、ウイルスを排除しにくくなるため、冬に大流行します。そのため、感染を防ぐには、マスク(ウイルスの侵入をある程度防ぐことと、のどや鼻を加湿する効果があります)、うがい、手洗いが有効です。


 職場や学校など、人が大勢集まる場所では、次から次へ感染し、大流行してしまうことがあります。流行期に入る前にインフルエンザワクチンの接種を集団で行うと効果的です。部屋が乾燥しないよう、加湿するのも良いでしょう。咳やくしゃみが出る人はマスクを着用するようにし、マスクをしていない時に咳が出る場合は、ティッシュやハンカチ、腕などで口と鼻を覆い、ウイルスがまき散らされるのを防ぎます。


 また、インフルエンザになってしまったら、発症から最低5日間は欠勤として、他の人たちとの接触を防ぐようにします。

 以上、参考になれば幸いです。


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