医療コラム

近視の治療について<後編>

近視の治療について<後編>
~最新の治療オルソケラトロジー(夜間コンタクトレンズ近視矯正治療)とは~

 

しもまちメディカルセンター (新潟市中央区田町 旧済生会新潟病院あと)
いかい眼科  院長 井海雄介
日本眼科学会認定 眼科専門医

 

 先回は、近視の治療には眼鏡・コンタクトレンズ・レーシックなどの方法があるというお話でしたが、最新の治療として、オルソケラトロジー(夜間コンタクトレンズ近視矯正治療)という方法が広がってきています。
 従来のコンタクトレンズとは反対の使い方で、夜寝る前に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、朝起きて外すだけで角膜の形状が変化し視力が回復します。
 回復した視力は一定期間維待され、日中は裸眼でも良く見えるようになります。
 近視矯正の中でも角膜を傷つける事なく非常に安全な方法で近視を矯正することができる最新の近視矯正治療として、世界的に注目を浴びています。

 

〈オルソケラトロジーの特徴〉
 基本的に20歳未満の人はレーシック手術が出来ないので、20歳未満の人が昼間に眼鏡やコンタクトレンズなしに、良好な裸眼視力を得るための唯一の方法と言えます。
 また、近視矯正手術をしてしまうと、結果が気に入らなかった場合、元に戻せませんが、オルソケラトロジーの場合はレンズ装用を中止すれば、近視を元に戻すことができます。
 しかし、毎日夜間に装用しないと良好な裸眼視力は維持できませんので、毎晩装用できない人は難しいかもしれません。
 年齢の制限は特に設けられていませんが、子供~30歳ぐらいまでの年齢の方が、矯正効果は高い傾向にあります。
 水泳、空手、ボクシング、野球、サッカーなど、メガネやコンタクトなしで良好な裸眼視力が必要なスポーツをする人には適している治療といえるでしょう。
 詳しい情報は、オルソケラトロジーを取り扱っている眼科や、インターネット、ホームペー
ジなどで御確認ください。