白内障 前半
いかい眼科 院長 井海雄介
(新潟市中央区田町 済生会新潟病院跡地)
㈳日本眼科学会認定 眼科専門医
⒈白内障とは
目の中には水晶体という無色透明な組織が存在しています。正常であれば透明であるはずの水晶体がさまざまな理由により濁ってしまうと白内障になります。白内障の原因としては、老人性白内障(加齢性白内障)が大部分を占めますが、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの全身疾患に伴う併発性白内障、あるいは先天性白内障、外傷性白内障、などがあります。だいたい50歳以上で半数、60歳をすぎると7割以上の人は白内障にかかります。原因である水晶体の濁りのタイプは、さまざまで、自覚的に症状を感じるものと、あまり気にならないタイプのものがあります。
⒉白内障の症状
一般的に白内障はゆっくり進行してくるため、自覚症状が出にくいようです。しかし、白内障の進行具合がある一定の限度を超えると、視力低下を感じるようになります。かすむ、ぼやける、などが白内障の主な症状ですが、夜間や雨天に車のライトや信号がボヤケル、二重になるなど光のにじみを感じる(白内障による光の乱反射が原因)、天気のいい昼間もまぶしさを感じる、明るさのコントラストが低下する、遠方が見えにくくなる、視力が良くてもかすみ感を強く感じる、などの多彩な症状が現れます。ちなみに、目の充血やゴロゴロ感、かゆみ、などの症状は白内障の症状ではありません。それらは別の眼病の可能性が高いです。
⒊白内障の検査
眼科で一般的に行われる検査で白内障の進行度はすぐに診断できます。視力、眼圧などの一般検査のほか、眼底検査などをおこない、眼球全体に病気がないか確認します。白内障以外に視力低下の原因がない場合は白内障の治療を開始することになります。
2011年10月