あなたの肺年齢は何歳ですか?
〜COPDについて〜
本町通6アーケード内 ぷらっと本町ビル3階
本町いとう内科クリニック 院長 伊藤実
日本呼吸器学会認定 呼吸器科専門医
皆さんはCOPD(シーオーピーディー)という病気をご存じですか。
COPDは、タバコが原因で肺の破壊が少しずつ進行し、徐々に息切れが強くなり、寝たきりになったり死に至ることがある恐ろしい病気です。この病気で亡くなる方がとても増えており、主要な死因の1つとなったため、最近はテレビなどでも取り上げられることが多くなりました。
COPDの症状は、じっとしていると何ともないが、動くと息苦しくなるのが特徴で、まず階段や坂道で息切れする、というところから始まり、進行してくると少し動いただけでも苦しくなり、筋力・体力が低下してきます。息切れの進行はゆっくりであるため、自分が病気であることに気づきにくく、病院を受診した時には肺が破壊し尽くされ、余命わずか、ということも少なくありません。また、心筋梗塞、脳梗塞、骨粗鬆症など、肺以外の多くの病気と密接な関係にあることも分かっています。
COPDをできるだけ早く見つけるために、最近、「肺年齢」が考え出されました。これは、肺機能検査の結果を分かりやすく伝えるため、肺機能が何歳の人と同じくらいなのかを示したものです。肺年齢が実年齢よりも高いと、肺の破壊がすでに始まっていることが分かります。肺年齢を測定することにより、COPDを未然に防いだり、早期発見・早期治療に結びつけることができます。特にタバコを吸っている人は自分の肺年齢を知っておくことが重要です。
治療は、禁煙、薬物療法、肺の理学療法、運動療法、栄養療法、酸素療法など、多岐にわたります。早めに治療を開始することで、生き生きとした生活を長く続けることができますので、咳や痰がなかなかおさまらなかったり、階段や坂道を上るだけで息切れがする方は呼吸器の専門医を受診し精査・治療を受けることをお勧めします。